オーガニックコスメ辞典について

制作:アイシス編集部
監修:日本オーガニックコスメ協会

アイシスでは単行本『オーガニックコスメ』や通販カタログ『オーガニック生活便』などで、オーガニックコスメに関する情報を伝えてきました。しかし、「化粧品成分は難解で、何から作られているのかよくわからない」という声を多く聞きます。そこで「日本オーガニックコスメ協会」では、消費者に化粧品の成分を知ってもらうために、オーガニックコスメ辞典を作成して掲載していくことにしました。この成分辞典は、化学専門家、化粧品製造者、「日本オーガニックコスメ協会」のオーガニックコスメアドバイザー講座の修了生、ボランティアスタッフ、など多くのスタッフが協力して作成し、いくつかの項目で掲載していきます。

化粧品の成分はたいへん数が多く、消費者から見ると、いったい何から作られているのかがほとんど見えません。化粧品の中身を知って選びたいと思っても、成分が難解なために、やむなくパンフレットの言葉や容器のデザインなどが選ぶ決め手になっているのではないでしょうか。

そこでこの成分辞典は、消費者にわかりやすい内容にしました。

【オーガニックコスメ辞典の内容について】

現在、化粧品の成分原料は、主に石油由来の合成成分、植物由来の合成成分、そのほか植物、動物、鉱物などで作られています。この辞典では、ひとつひとつの成分が何で作られているのか、どのような配合目的で使われているのか、自然界に存在する成分か否かなどを、よりわかりやすく掲載していきます。
今後は、旧表示指定成分であった成分、医薬部外品の表示義務のある成分、食品添加物に使われている成分なども、日々追加して掲載していく予定です。
今使っている化粧品の成分の原料を知りたい、また購入を考えている化粧品の成分の原料を知りたいときなどにぜひ役立ててください。

化粧品の成分は、1999年の規制緩和の影響もあって年々、増えていっています。海外から輸入された化粧品の新成分が加わるという事情もあります。また、従来、石油から作られていた成分が、植物でも作られるようになることがあります。そのように化粧品成分の数や情報は、変わっていっているのです。
この辞典は、化粧品製造会社や化粧品原料会社、化学の専門家と協力して、化粧品の情報を伝えるものです。できるかぎり早い情報を心がけていますが、そうした化粧品成分が変わっていく現状により、辞典が完成するということはなく、常に途上にあるということになります。
化粧品は、ムードではなく、中身で買うべきと言っても、化粧品成分は数が多く情報が増えていくために、全成分を見て化粧品を買う人はそれほど多くはありません。
変化していく化粧品成分の情報も入れることによって、皆様の安心できる化粧品選びに、実際に役立つものにしていきたいと願っています。
日本オーガニックコスメ協会 水上洋子

【JOCAオーガニックコスメ辞典の表記について】

化粧品の成分が何からできているのかがわかる辞典

本当にナチュラルな化粧品を使うためには、ぜひとも化粧品の全成分を見て、それが何で作られているのかを知る必要があります。

そのために 「JOCAオーガニックコスメ辞典」が最も重視したのは、それぞれの化粧品の成分がどのような原料からできているのかが誰もが一目でわかることです。

たとえば化粧品成分の原料については、合成(石油)、合成(石油+植物)、植物、無機物、などと表記して、ひとつの成分が何から作られているのかがわかるようにしました。

【成分名について】

◇は数字を表します
例 

  • (C◇-◇)パレス◇硫酸Naは、以下の同種類の成分をまとめて表記したものです。
  • (C11‐15)パレス-3硫酸Na  
  • (C11,13,15)パレス-1硫酸Na
  • (C10-15)パレス硫酸Na
  • (C12-14)パレス-3硫酸Na
  • (C12-15)パレス-3硫酸Na など

※厳密には数字によって組成が多少異なりますが、この辞典では煩雑さを避けるため、数を◇で表しています。

以下の元素(無機物)は原則として元素記号で表記します

  • ナトリウム=Na
  • カリウム=K
  • マグネシウム=Mg
  • カルシウム=Ca
  • アルミニウム=Al

【配合目的】

  • 合成界面活性剤…本来、分離する水溶性成分と油溶性成分を混ぜ合わせる成分。シャンプー類の洗浄成分、またはクリーム類の乳化剤として使用される。「たんぱく質変性作用」があり、肌バリアにダメージを与え、薄くしていく。
  • 合成ポリマー……被膜剤。肌や髪を表面コーティングして、ツヤが出たように見せる。 例)ポリ クオタニウム-◇、ジメチコン、カルボマーK、シロキサン、アクリル酸、セルロース 抗ケーキング剤…保存期間中に固化したり、粘性を帯びるなどの変質を防ぐためのもの。
  • 増粘剤……………製品に粘性を与える成分。
  • キレート剤………水中のミネラル成分を吸着して、泡立ちを良くしたりする。
  • 整肌………………肌荒れを整える働き。
  • 保湿………………肌に潤いを与える働き。

【成分の原料について】

  • 合成(石油)…………石油精製時に出てくる副産物ナフサなどを使って合成したもの。
  • 合成(石油+植物)…石油合成成分を骨格としながらも、一部は植物由来成分をつけて合成したもの。
  • 植物………………… 植物を漬け込む、パウダーにするなどして、本来の植物に含まれる様々な構成成分を壊すことなく、自然な方法で作られたもの。
  • 合成(植物)…………植物を原料としているが合成成分。通常にはない高温高圧を作り出す機器によって本来の組成構造を分解し、人為的に合成したもの。 もともと石油合成成分だったものや、自然界にない合成成分が多い。
  • 発酵(植物)…………植物に酵素や微生物を添加して、発酵を促すことによって得られた成分。
  • 発酵(微生物)………微生物に酵素や栄養分を与えて、発酵を促すことによって得られた成分。
  • 動物………………… 動物の身体、または分泌物から得られた成分。JOCA基準では、動物を殺傷しなければ得られない成分は「使用不可」。ただし動物を殺傷せずに得られる成分は、〇。 例 ミルクなど
  • 無機物………………鉱石由来の成分。例、亜鉛、鉄、Mg (マグネシウム)、Na (ナトリウム)、酸化チタンなど。

【備考欄について】

化粧品成分に使われているが、他の分野の製品にも使われているものについて備考欄に記載しました。

化粧品に使われている合成成分は、他の分野の製品にもよく使われています。たとえばマニキュアの除光液トルエンは、車の塗料の溶剤にもなっている成分ですが、「PRTR法」で指定された有害物質です。

各化粧品成分の備考欄には、食品添加物でもあったり、全成分表示義務が始まる2001年以前にあった「102種類の旧表示指定成分」、環境省の管理下にある「PRTR法」に指定された有害物質 「第一種指定化学物質」でもあることがわかるように記載しました。

そのためこの JOCA成分辞典は、化粧品だけではなく、家の中の化学物質を見つけ出すときにも役立つことと思います。

【備考欄の表記】

  •  1. 食品添加物⇒食品添加物として使用されている成分
  •  2. 旧表示指定成分⇒旧厚生省が指定したアレルギーの危険性のある「102の旧表示指定成分」
  •  3. PRTR法指定物質⇒人の健康や生態系にとって有害性のある化学物質。「PRTR法」によって、事業者が排出量・移動量を国に届け出る義務が定められており、「第1種指定化学物質」と呼ばれる。